現在、企業の業務削減に大きく貢献しているものがRPAと呼ばれるものです。
3大メガバンクがRPAを導入し業務削減に成功したことで世間で一躍注目されるようになりました。
RPAtimesでもRPAに関する基礎知識を解説したものや、RPAツールを比較したものなどが掲載されています。
RPAツールはサーバー型、デスクトップ型が一般的ですが、クラウドを利用したクラウド型RPAというものが存在します。
その中で、今回は日本初のクラウド型RPAツールであるBizteX cobitというRPAツールを紹介します。
本記事の内容に入る前にRPAツールについて復習しておきいたい方は、以下の記事をご覧下さい。
RPAを導入する上で一番時間をかけて取り組むべき問題が、どのツール/ソフトウェアを使うかというもの。 日本で徐々にRPAが認知され、市場が広がるにつれて、多くのRPAベンダーが現れ、各社の個性を生かした様々なRPAツールを販売してい[…]
株式会社BizteX概要
創設は2015年と歴史は浅い会社です。
しかし、2017年にBizteX cobitがリリースされると翌年にはHR Tech GP2018で働き方改革賞のほか、グッドデザイン賞を受賞しています。
同年6月には、経済産業省のスタートアップ企業育成支援プログラムであるJ-startup企業に選出されています。
更に同年11月には 第12回 ASPIC IoT・AI・クラウドアワード 2018のASP・SaaS部門支援業務系分野で「先進技術賞」を受賞するなど、現在成長著しい企業です。
こちらが株式会社BizteXの公式ホームページになります。
BizteX株式会社は、人間をルーティンワークから解放し、生産的・創造的な仕事に取り組む時間を生み出すことで、人々を幸せ…
クラウド型RPAとは?
従来のRPAツールは、
- デジタルレイバー(ロボット)がPC1台1台に導入されるデスクトップ型
- デジタルレイバーが社内サーバーで作成され、サーバー内で働くサーバー型
の2種類が主流でした。
RPA5大ツールのうち、WinActor、UiPathは前者、BizRobo!、Blue Prism、Automation Anywhereは後者に当たります。
それに対し、クラウド型RPAはクラウドのサーバー上にRPAツールがあり、Webを介してロボットを使用することができます。
つまり、インターネットに接続できる環境さえあればRPAを利用することができるのです。
RPAtimesにはデスクトップ型、サーバー型、クラウド型RPAを説明した記事もあるので是非参考にしてみてください。
RPAのツールってたくさんありすぎて違いが分からないことがありませんか? 現在、RPAツールは国内だけでも30種類以上存在しています。 様々あるRPAツールですが、基本的に大きく3種類に分けることができ、デスクトップ型・ サー[…]
BizteX cobitの特徴
それでは、BizteX cobitの特徴を1つずつ説明していきます。
特徴1:比較的安価に利用できる
BizteX cobitはWebを介してロボットを使用するため、社内にサーバーを構築する必要がありません。
そのため、他のツールに比べて比較的安価で利用することができます。
具体的には、初期費用は約30万円ほどしかかからず、年間費も120万円からに抑えられます。
そのため、RPAを導入することを検討している中小企業でも手を出しやすいことも魅力です。
特徴2:導入までの期間が短い
多くの場合、RPAは利用開始まで約3ヶ月ほどかかるのが一般的です。
しかし、BizteX cobitは、新たなシステムの構築が不要なため、申しこんでから最短即日で利用を開始することができます。
特徴3:サービス改善速度が速い
BizteX cobitはクラウドを利用しているため、不具合などが生じた場合でも修正が効きやすいです。
また、新しい機能を追加したい場合なども同様にすぐできるため、常に最新の状態で利用できます。
サーバー型やデスクトップ型の場合、アップデートしていくごとにコストがかかりますが、クラウド型の場合はそのような負担もかかりません。
特徴4:セキュリティ面で充実
クラウド型RPAはWebを介しているため、一般的にセキュリティ対策が甘いと言われています。
しかし、BizteX cobitは第三者からの脆弱性診断受けているほか、 AWSクラウドセキュリティにも準拠しています。
そのため、セキュリティ対策もしっかりなされています。
特徴5:特別な知識は不要
一般的なRPAは、導入に合わせて自社のシステムを再設計したりロボットを作成するために、少なからずIT知識が必要です。
しかしBizteX cobitは画面上でブラウザを組み合わせていくだけで高性能なロボットを簡単に作成することができます。
そのため、ITの知識がない業務担当者であっても簡単にロボットを作成することができる点も魅力です。
特徴6:アカウント、ロボットの作成数が無限
BizteX cobitは株式会社BizteX社が発行するライセンスさえあれば、アカウントの発行数、ロボットの作成数は無制限です。
そのため、会社全体で大規模に導入する場合にも非常に適しています。
特徴7:優れた動作環境
従来のRPAツールの大半はWindowsでないと使えないものが多いことが欠点でした。
しかし、BizteX cobitは普段オフィスで利用しているパソコンからログインするだけで利用できるため、多くの人が利用しやすいツールです。
BizteX cobitの機能、適した業務
含まれる機能
BizteX cobitには以下のような基本的な機能が含まれています。
- テキストの取得、入力
- 繰り返し処理
- メール送信機能
- タイマー予約
- 組織管理機能
- Googleスプレッドシートとの連携
- フォルダ内の一括実行
- エラー時の通知
- 変更点の検出
- Excel、CSVのインポート、エクスポート
BizteX cobitに適する業務
Webクロール業務
BizteX cobitはクラウド型RPAでありWebブラウザを立ち上げて操作を行うため、Web経由でデータを収集したりリサーチしたりするWebクロール系の業務に優れています。
具体的には
- Web上の情報から営業のターゲットリストを作成
- 市場価格などのマーケット情報収集
- 求人サイトで候補者に自動でメール送信
- SEOランキングの取得
など、営業、マーケティング、人事など幅広い業務に対応できます。
ルーティン業務
もちろん、デスクトップ型やサーバー型RPAと同様に人の手で行われているような事務作業も行うことができます。
他にも様々な業務に対応することができますので、興味を持った方は以下のサイトをご覧下さい。
BizteX cobitの導入事例
では実際にBizteX cobitを導入している企業の事例を紹介していきます。
株式会社マイネット
株式会社マイネットは主にオンラインゲームの運営といったゲーム事業を展開する会社です。
マイネットでは「オンラインサービスの100年企業」というスローガンの元で全領域AI進化を会社全体で掲げており、AIやRPAの導入を積極的に行っていました。
その中で、ゲームの数が増えるに従って集客のための広告宣伝活動への負担が大きくなり、対応媒体が豊富でかつ操作が容易なBizteX cobitを広告室へ導入することを決定しました。
BizteX cobitを導入した結果、月22時間かかっていた業務がロボットの作成時間やメンテナンス時間を含めて月11時間にまで減少しました。
また業務が減ったことで1つの業務を落ち着いてこなすことができるようになったほか、他の部署へ波及するなど全領域AI進化を掲げる同社では大きな効果となっています。
株式会社JTBコミュニケーションデザイン
株式会社JTBコミュニケーションデザインはプロモーション、人材育成・組織活性、地域活性事業など幅広い事業を展開している会社です。
同社では展示会運営も行っていたのですが、BizteX cobit導入前は出展してくれそうな企業をWeb上で1つ1つ手作業で探していました。
また、外出の際の交通費の精算も手作業で行っていたため、非常に時間がかかっていました。
そこで働き方改革の一環としてRPAの導入を決定したのですが、JTBグループでは新規のITシステム導入はハードルが高かったためクラウド型のBizteX cobitの導入を決定しました。
その結果、営業リスト作成と交通費精算が自動化されたため年間544時間の業務削減が見込めるようになりました。
株式会社ベアーズ
株式会社ベアーズは家事代行サービスや法人向け清掃サービスを提供する企業です。
同社では法人向け顧客に対して毎月業績報告書をしているのですが、作成段階でCSVでデータを吐き出して表計算ソフトに流し込み、データを顧客ごとに異なる報告書に転記するという非常に手のかかる作業を行っていました。
そのため、労働時間を削減しつつ業務の質は維持することが必要不可欠でした。
そこでアップデートのコストが不要なクラウド型であり、表計算ソフトなどを多く利用する同社にとってBizteX cobitはその問題を解決するとても良いツールでした。
導入後の計算では、従来報告書作成にかかっていた300時間が約120時間にまで減少することが見込めるようになりました。
以上の他にも
- 株式会社サイバーエージェント(メディア、インターネット広告、ゲーム事業)
- 株式会社メタウォーター(上下水道事業)
- 株式会社ウェルクス(人材派遣事業)
- ウィルヘルムセン・シップス・サービス・ジャパン・プライベイト・リミテッド (船舶代理店、マーケティング事業)
など、幅広い業務で利用されています。
導入事例はBizteX社のホームページに多く掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。
業界別にクラウドRPAであるBizteX cobitの活用事例・導入事例をご紹介します。…
BizteX cobitの価格
RPAツールの価格設定は主に、ロボットの処理量によってライセンス料が変わる従量課金制と、ロボット1台あたりの値段が定められた定額制に分けられます。
BizteX cobitは従量課金制にあたります。
具体的にはBizteX cobitはロボットが実際に実行する動作(クリックをする等)の数であるステップ数によって課金されるシステムになっています。
BizteX cobitの価格体系は以下の様になっています
プラン名 | トライアルプラン | エントリープラン | スタンダードプラン | プロフェッショナルプラン |
初期費用 | ― | 30万円 | 30万円 | 30万円 |
月額 | ― | 10万円 | 20万円 | 30万円 |
平均業務削減時間 | ― | 100時間 | 300時間 | 500時間 |
ロボット稼働ステップ数 | ― | 10万ステップ | 30万ステップ | 50万ステップ |
発行ライセンス数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
作成ロボット数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
同じRPAでも、デスクトップ型RPAのWinActorの価格が実行PC×24万8000円+開発PC×90万8000円、サーバー型RPAのBluePrismの最低導入価格が年間360万円以上かかります。
これらと比較してもBizteX cobitの価格は一番高いプランでも月額30万円であり、非常に安価なRPAです。
BizteX cobitのトライアル版
上記の表にもある通り、Biztex cobitにはトライアルプランもあります。
トライアルプランは1週間限定で有料版のBizteX cobitと同じように発行ライセンス数、作成ロボット数共に無制限で利用できます。
申し込みは以下の公式サイトから行ってください。
BizteX cobitの弱み
基幹システムに対応していない
WebブラウザベースのRPAであるため、基幹システムにはまだ未対応であるのが現状です。
しかし、2019年内には基幹システムに対応予定です。
ローカル環境に弱い
ロボットがWeb上にあるため、ローカル環境にあるシステムなどを利用できません。
しかし、Googleのサービスを利用するなど、工夫次第では幅広い業務に対応することができます。
クラウド型RPAが職場を変える
今回はクラウド型RPAのBizteX cobitを様々な視点から見てきました。
現在、多くの大企業ではRPAが導入されていますが、高額な製品であるため中小企業ではあまり導入がすすんでいません。
しかし、日本の企業のほとんどは中小企業であり、中小企業の働き方改革は必要不可欠です。
価格もかなり安いBizteX cobitはそのような状況を打開するために非常に有効なツールです。
価格の面でRPAの導入を諦めていた方はBizteX cobitの導入を検討してみてはいかがでしょうか。