働き方改革とRPA

『RPA×働き方改革』~NEXT STAGE~

働き方改革とRPA

昨今日本では、働き方改革の名のもとに、快適な労働環境の整備や労働人口の増加、生産性の向上などの方策が模索されている。

少子高齢化に伴う労働人口の減少が引き起こす日本の労働生産力の低下は、遠い未来の問題ではなく、すでに起きている事象としてとらえなければならない。

サイボウズ株式会社東京本社にて行われた一般社団法人『創生する未来』主催の「楽しく長く、を実現させるための働き方改革セミナー」のイベントの講演から、皆様に新しい働き方を実現するための方法をご紹介したい。

そしてこの記事では、RPAを使って働き方改革を推進されている、竹内瑞樹氏の講演の内容を皆さんにお伝えしようと思う。

竹内瑞樹氏
元大手企業でRPA全社展開プロジェクトを担当。会社内で600人の開発者を育成。
開発標準・運用ルール等の策定、社内コミュニティの立ち上げ・運営、現場開発者育成研修の企画・講師実施するなど、RPAの現場開発のスタンダードを確立。
その後、数多くの企業で、RPA導入の支援を行う。

働き方改革とRPA。

_______そもそも働き方改革とは。

そもそも、働き方改革とは何なのか。

イメージでは、残業を減らす、働きやすい環境を整える、副業を認めるといったところだろう。

しかし、その実態は違うところにあると竹内氏は語る。

そもそも、働き方改革の背景には日本の労働者の減少と、それに付随した日本全体の生産力低下に対する懸念が存在する。

1995年には90万人弱いた労働人口は、2060年には45万人にまで落ち込むといわれている。

つまり、2060年には1995年の倍働かなければ、現在の生産性が維持できないのである。

にもかかわらず、働き方改革によって残業や時間外労働ができなくなる。

ここに、働き方改革の本質があると竹内氏は語る。

今まで通り、もしくはそれ以上働かないとこれまで通りの生産性は確保できない。

しかし、働き方改革の名のもとに、労働時間は減少する。

つまり、今までと同じ量の成果を短時間で上げろと言われているのである。

しかし、100時間で生産していたものを50時間で生産するのは明らかに不可能である。

そこで、日本の働き方改革の救世主となりうるのがRPAツールなのだという。

労働力不足解消に期待されるRPA

日本の働き方改革の原因ともいえる、労働人口の減少。

この問題の解決策として日本は3つの解決策を打ち出している。

それが、

  • 働き手を増やす
  • 出生率を上げて未来の労働力に備える
  • 労働生産性を上げる。

の3つである。

まず、1つ目の「働き手を増やす」。

こちらに関しては、前半でも紹介したRPA女子プロジェクトなど、育児等の事情によりリタイアせざるをえなかった女性たちにもう一度活躍の場を提供できるなど、働き手を増やすことが期待できる。

続いて2つ目の「出生率を上げて未来の労働力に備える」。

こちらもRPAの導入で残業時間等が減り、出産や育児をしやすい環境が整い、結果的に出生率の上昇が期待できるのではないかということである。
女性だけでなく男性も、育児に参加しやすい社会を作るきっかけにもなりそうだ。

そして最後に「労働生産性を上げる」。

これは、現在行っている定例作業をRPA化することで、定例作業の能率化を図るだけでなく、人間はより創造性の高い業務を行うことができ、労働生産性の向上に期待されるということだ。

このように、RPAは今後の日本の労働力不足対策に関して、大きな期待をされているのである。

RPA導入に苦悩する担当者たち

現在、RPAの市場規模は右肩上がりであり、2018年に88億円だった市場規模は、2022年には400億円まで増えると予想されている。

イベントも数多く開催され、大企業で80%、中小企業でも50%が導入に着手しており、まさにRPAは働き方の一大トレンドとなっている。

しかし、RPA導入の現実はそう簡単な話ではない。

各企業のRPA担当者からは、導入と運用に関する苦悩が出ているのも事実なのだそうだ。

  • RPAをやれと言われたが、ツールが高すぎてペイできない。
  • 人の作業を自動化することで、他人の職を奪ってしまうのではないか。
  • 自分は頑張っているのに全然盛り上がらない。

こういった声が数多く聞こえてくるのだという。

結局のところ、「RPAを導入したけどうまくいかない…。」という企業が数多く存在するのである。

不幸にならないRPAの進め方。

竹内氏いわく、RPAは万能ツールではない。

その導入と展開には抑えるべきポイントが存在するのだという。

不幸になるパターン

竹内氏は、RPA導入の失敗パターンを3つほど挙げている。

____①経営者がRPAをリストラの道具として利用する。

経営者目線の導入では、人件費の削減がKPIとなりがちです。

それでは、現場からの反発でRPA導入は進みません。

____② 担当者に丸投げ。そして盛り上がらない。

トップからの指示で担当者にRPA導入の丸投げ。

結果を出さなくてはならないというプレッシャーはかかるのに、会社のサポートなしで結果が出ない、なんてことになりかねないのである。

____③特性を考えず、やりたいことに合っていないツールを導入してしまう。

RPAにはそれぞれ特性があり、その特徴とやりたいことのミスマッチが起きてしまい、結局展開がうまくいかなくなるのだという。

では、実際に不幸にならないためにはどのようにRPAを導入すればよいのか。

不幸にならないRPA

竹内氏は大きく2つの方法を提示してくださった。

____①企業のビジョンに適したツールを選定する

RPAツールを導入する際、最初に大事なのは、会社に合ったRPAツールの選定だという。

そもそも、RPAツールはすべて互換性がなく、仮にツールをAからBに変更する際、Aで作ったロボットをBに持って行くことはできず、1からの作り直しになる。

加えて、開発者を新たに準備する必要がある。

さらには、ツールAとBの両方のライセンスが同時発生するなど、とてもじゃないが、コストがかかりすぎる。

つまり、合わなければ変えればいいという甘い考えでツールの決定を行ってはいけないのである。

そして竹内氏はRPAツール選定の際には2つの軸から探す必要があるという。

それが「動作環境」と「開発難易度」である。

つまり、サーバーで動くロボットなのか、デスクトップ上で動くロボットなのか。

そして、現場で開発できるツールなのか、情シスで開発すべきツールなのか。

この二点を考慮してツールを選択しなければならないのである。

中長期的に見て、小規模な導入を行いたいのならデスクトップ型、全社的に展開していきたいのであればサーバー型もしくはクラウド型ということになる。

安価だからといってデスクトップ型を選んだり、出来ることが多いから難しいツールを選んだり。

そういう安直な考えでツールを選択してしまうと、将来的に後悔することになってしまう可能性が高いのだ。

____②必要部署を巻き込み、組織的に活動する

RPAを導入する際の流れとしてよくあるのが、情報システム室での開発である。

RPAの導入の際には、高品質であること、保守性があること、セキュリティが担保されること。

このあたりが重要になってくる。

すると、必然的にそういうのが得意な情報システム室での開発という流れになってしまうのである。

しかし、情シスでの開発には問題が二つ存在するという。

それが、現場からの反発と情シスのパンクだ。

現場からの反発だが、これは仕事が奪われるという危機感と自分の仕事はロボットには務まらないというプライドが原因になる。

そして、情シスのパンクだが、仮に現場からの支持を得てロボとを作成する際、ただでさえ忙しい情シスのリソースが追い付かなくなるのである。

では、いったいどうすればよいのか。

竹内氏は、現場開発こそがその答えであると語る。

現場で働く社員自らでロボットを開発することで、自分の作業を効率化したい、残業を減らしたいなどという思いを元に、改善に前向きになるのだという。

さらに、現場で働く社員だからこそ、RPAで自動化すべき業務のアイデアも豊富に生まれてくるのだという。

しかし、現場開発で保守性やセキュリティ、高品質なロボットなどの前提を守れるのか。

竹内氏いわく、それは不可能である、だそうだ。

しかし、それはあくまで現場丸投げの場合である。

だからこそ、竹内氏はRPA運営部隊の設置が必須だという。

開発自体は現場から促進し、RPA運営部隊が「保守性・セキュリティ・高品質」を担保するように徹する。

運営チームでRPA開発の際のルールの作成や、開発者育成やその支援を行うことによって、上記3つが守られたロボットを現場が開発できるようになるのだ。

現場が開発、ITが支援。 協働がカギ!

ということであると竹内氏は語る。

RPA×働き方改革

昨今騒がれている「働き方改革」。

RPAはその解決に最適なツールとして今後も広がりを見せるだろう。

しかし、その導入には問題点も多く存在し、簡単なことではない。

今回のイベントレポートが皆様のRPA導入の一助となれば幸いである。

RPAを自分たちの仕事を奪うものとしてではなく、自分の仕事をより豊かにするためのツールとして、導入を考えてみてはいかがだろうか。

→次回

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