RPAマガジン

#02.RPAを100%を理解するために。企業HPの裏側に隠れた真の特徴を見抜け。

RPAマガジン

このマガジンでは、RPAの審美眼を醸成するという目的を掲げている。

そのためには、web記事だけではなく本やイベントなど様々な媒体からRPAをながめていく必要があるだろうし、その程度のことはみんなやっているだろう。

しかし、このような業界知識を学ぶ場合、見えているものだけでは足りないということが往往にしてある。

こうしたなかなか目に映らないRPAの真の特徴を知り、審美眼を身につけるための「土台」を作り上げていこう。

さて、以下のリストを眺めてみてほしい。

これはRPAベンダー各社がHPなどでアピールしている製品の良いところを簡単にまとめたものである。

WinActor

  • 利用できるアプリケーションに制限はない
  • NTTグループで開発・利用する信頼度の高いソリューション
  • プログラミングの知識は不要
  • 技術者による充実したサポート
  • 「適用業務コンサルティング」や、技術レベルの向上を目指す「技術研修」など支援サービスもご用意
  • WinActorの集中管理とガバナンス

UiPath

  • 大規模堅牢なセキュリティ
  • 強力な日本語サポート体制
  • 企業規模に応じた柔軟な製品構成
  • 様々なアプリケーションへの対応力
  • 高度な直感性
  • 効率的監査と効果的ガバナンス

BizRobo!

  • 導入運用サポート
  • 直感的なインターフェース
  • バックグラウンド型RPA
  • ロボットの統合管理が容易
  • サポートサービス充実度No.1
  • 既存環境を活用したAI業務の組み込みが可能
  • BPM機能搭載

Blue Prism

  • ロボットの一元管理
  • 高度なセキュリティ
  • 開発・構築の容易さ
  • AIライブラリを利用可能
  • 日本語化したサポート

Automation Anywhere

  • エンタープライズ向けの多彩な機能
  • 開発のしやすさ
  • 管理しやすい管理機能
  • 豊富な対応システム
  • 高い実績のあるサポート
  • AIとの組み合わせ

こうして見てみると、各社ともほとんど同じような要素を推していることが体感できるだろう。

さらに、操作しやすいなどの主観的な情報も入っており、各社のHPや販売代理店のサイトから必要な情報を収集するのは困難と言わざるを得ない。

これで、審美眼の必要性を理解してもらえたのではなかろうか。

サーバー型とデスクトップ型

さて、それでは上記一つ一つのツールを本当に意味で比較するために、基本的な知識を身につけよう。

そのためにまず必要な用語が、「サーバー型とデスクトップ型」。

いずれもRPAツールの動作環境を指す言葉だ。

サーバー型はRPAロボットがサーバー上で動作するもので、管理が容易。

デスクトップ型はロボットがPC上で動作するもので、導入が容易なツールが多い。

このような理解は、少しでもRPAを調べたことがあれば最低限持っている知識だろう。

しかし、これが本当に意味するところを知らなければ導入後のトラブルに見舞われかねないのだ。

果たして、そこで起こるトラブルとは何か。

答えは「PCの必要台数」だ。

デスクトップ型のRPAはPC上で動くと説明したが、これはスマートフォンでYouTubeを開いている状態と同じ。

すなわち、その動作画面を閉じればロボットが止まってしまうため、ロボットを実行するPCは常に起動し続けておく必要がある。

では、ロボットを開発した人はロボットを動作させている間、何をするのだろう。

LINEを返す?携帯ゲーム?イチオシの本を読む?残念ながら、そんなわけにはいかない。

だから、PCがもう一台必要になってしまうのである。

そのとき発生する問題としては、社内システムなどにログインしているパソコンが無人で動いてしまうことによるセキュリティリスクや、どこに置いておくかという問題がある。

従って、デスクトップ型のRPAを導入する企業は小規模な導入を想定しているのが普通だ。

一方、サーバー型の動作は、各種音楽ストリーミングサービスが行うバックグラウンド再生と同じ。

すなわち、RPAロボットを動かしながらでも別の動作をすることが可能だ。それどころか、PCの電源がオフのままでも動作する。

従ってRPAの導入費用にPCの購入費用を含めなくて済むので、中規模以上の導入ではサーバー型が好まれるのだ。

しかしながらサーバー型のライセンスの多くは、同時開発や同時実行の数で制限をかけているので、各事業部でRPAの開発や実行を行う時間をずらす必要がある

この運用管理がうまくできていないと、使いたいときにRPAを使えず、トラブルに繋がってしまう。

このようにデスクトップ型とサーバー型にはそれぞれで異なったトラブルが発生しうる。そのリスクを知っておくことが非常に大事なのである。

上記に挙げた五大ツールのうち、WinActorとAutomation Anywhereがデスクトップ型であり、BizRobo!とBlue Prismがサーバー型である。

UiPathはサーバーデスクトップ型両方に対応している。

RPAツールを比較する際には、RPAの動作環境という、各社のHPにはっきりとは書いていない本質的な属性を捉えることが大事だ。

プログラミング不要は本当か

続いて、全てのRPAツールに共通して語られる一大メリットの真実に切り込んでいこう。

そのメリットとは「RPAの開発においては、プログラミング言語を使う必要がない」というもの。

現場の人間がロボットを開発するような大規模導入を考えている場合、必須とすら言える要素だが、RPAツールの全てにおいてそれは本当に必要ないのだろうか。

答えは、だ。

しかしこれは全く悪いことではない。むしろ機能面における大きな強みにもなりうる。

このマガジンの後半でも説明するが、海外ではRPAの技術的進展が進んでおり、AIと組み合わせて動作するツールの開発が進んでいる。

このAIと組み合わせるロボットを作る際にVBなどのプログラミング言語で微調整や細かい設定を行うことが往々にしてあるのだ。

プログラミングを行えなくとも、RPAが行う機能として十分な機能を提供してくれるのだが、他ツールにはできないような、プログラミングを使うことで初めて届く機能の高みへ到達できなくなってしまうのは事実と言えよう。

ただし、ここでプログラミングを使わなくても使用できることは留意しておきたい。そのツールのパフォーマンスを最大限に使用しようと思うと、必要となってくるということである。

このような特徴を持つ両ツールを使いこなす企業は、プログラミングの素養を持つ情報システム部が開発を一手に引き受け、大規模で基幹的な業務の自動化を行なっている印象が強い。

一方、ほかの3ツールは上記2ツールより現場開発向きの開発難易度となっている。

プログラミングスキルは基本的には必要ないと言えるだろう。

しかしながら、それは簡単だということを意味する訳ではない。

エラーが起こらないような安定性の高いロボットを作るためには、エラー処理やフローの構成・認識のさせ方などを工夫する必要がある。

これができるのは、数ヶ月〜数年間、経験を積んでセンスを身につけたRPAエンジニアだ。

さらに、多少難易度が高いツールの方ができることが多く、開発の簡単さは出来ることの多さと反比例するのが現実だ。

プログラミングスキルがなくても開発が可能だが、より高度な業務の自動化を進めると必然的にVBAやVB、C言語などを学ぶことになるだろう。

よって上記の5つのツールに関して、というよりRPA全般に関してはプログラミングスキルはあるにこしたことはなく、その必用とされるレベルがツールごとによって異なると考えてもらえればいいだろう。

「プログラミングスキルがいらない」=「簡単」と早とちりすることなく、導入方法に合わせてRPAの開発スキルを高める仕組み作りが必要だ。

ツール選定のミスが現場の歪みをもたらす

現場で開発を進める導入方法を取った企業の中には、思うようにガバナンスや運営をうまく行うことができず、効果を実感できていないところもある。

しかしその原因がツール選定のミスである事例も出てきている。

RPAの導入は高額かつかなりの工数を消費するので、失敗してしまったとしても企業の威信のために公表されず、そうした事例が表に出てくることはほぼない。

一度ミスしてしまうと、そのミスを表に出せないまま、痛みを伴いながら走り続けるしかなくなる。

従って、RPAを導入したことのない時点で導入後のビジョンを明確に描きながら導入プロジェクトを走らせる必要があるのだ。

そのために見るべきポイント、「RPAの動作環境」「開発難易度」の2つを説明してきたわけだが、実はまだ、1番見るべきポイントを説明していない。

それは、「価格」だ。

RPAツールの価格体系はライセンスの付与設定に応じて各社で全く異なる。

しかし、標準価格や最低価格など抽象的な言葉で価格を表示しており、その実態をつかむことは難しい。

この「もはや罠」とも言える価格設定の裏側を暴くのは、次回のマガジンで。

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