RPAの成功と失敗

#03.RPA成功と失敗の差は何なのか——見えてきた成功への共通項

RPAの成功と失敗

RPA導入における成功と失敗の差は何であろうか。

多くの企業がRPA導入で国内を騒がせているが、RPA導入による成果が出ている企業と未だ成功への兆しが見えない企業の差が著しい。

成功の兆しの見えている企業では、実際に労働時間の削減を数値として算出。また、社内の人間がRPAツールのスキルを身に着けたりなど、労働力の自動化に成果が表れてきている。

一方、RPAを導入をしたものの、社内で上手く機能していない企業は決して少なくない。

一体、この差は何だろうか――

多くの企業の取り組みや話を聞く内に、ようやく見えてきたRPA成功へのメゾットを紹介していこうと思う。

RPAの成功と失敗

失敗の9割は防げる――RPAをスケールできない企業の共通項

RPA導入を成功させる以前に、そもそも失敗をなくすことが大前提となる。

幸いなことに、RPA導入に対して先駆的な企業が試行錯誤を繰り返す中で、見えてきたRPA導入が上手くいかない典型的なパターンが存在することが分かった。

これを守ることによってRPA成功率は飛躍的に上昇する。逆に、ここに注意を払うことが出来なければ、RPA成功は遠のくと考えていいだろう。

RPA導入以前の問題――業務フロー改善

RPA導入を急ぎすぎる余り、次第にRPA導入が目的になってしまった結果、業務フローの最適化が不十分なまま、RPAを導入を行ってしまうことが多々ある。

技術を導入していくことは会社の成長として確かに大切だが、技術に頼りすぎる余り、根本的な目的が見えなくなってしまうことが多い。

実際、RPAを導入するにあたって業務フローの見直しを行った企業の多くから「こんな無駄な業務をしていたのか」という声が挙がった。

これを怠るとそもそも不要な作業をロボット化することになってしまい、ツールのよっては無駄なライセンス費を払ってしまいかねない。

また、業務フローを整理することは導入後のRPAを推進していく際に非常に重要になる項目でもある。

このように、社内のロボット化を推進していくことは確かに必要だが、それ以前の業務フローの整理は必要不可欠な項目の一つであるだろう。

経営陣によるRPAツール選定の罠

RPA成功のために必要な項目として非常に重要な割合を占めるのが、ツールの選定である。

まずは、このツール選定がいかに重要であるか説明していこう。

RPAといっても数多くのツールベンダーが存在し、それぞれのツールによって特徴が異なる。

RPAをツール選定を行う際に、考えるべきは以下の2点だ。

  • 自社の特徴を理解した上で、RPAをどのような立ち位置に置きたいか
  • 短期的な視点ではなく、長期的な目線での選定

一点目に関してだが、RPAを最終的に会社内で全社的に導入したいのか、もしくは一部の業務を自動化したいのかによってツールの選定が大きく異なってくる。

小規模での導入と全社的に導入したいのではツールの選定基準が異なる上、最終的に情報システム部門での開発を行うのか、現場開発で行うのかでも異なる。

そして、何よりも気を付けなければならないのは、2点目の長期的な目線での選定である。

RPAツールの特徴上、一度RPAを導入しロボットを作成して業務自動化を行っていくと、仮にツールが自社に合わなかった際にツールの変更が難しい。

なぜなら、すでに作成したロボットを他ツールに引き継げない点とRPAツール導入にかかる初期投資・開発者育成におけるコストが再びかかる点だ。

このため、ツール選定における責任者は一番ツール自体の不備を理解しているのにも関わらず責任問題を恐れロボット開発を進行させ、後に引くにも引けない状況に陥っていくのだ。

ここまでで、自社に合うツールを選定することが重要であるか理解できたことだろう。

――そして、経営者視点でツール選定を行うことが如何に危険であるか気づくのではなかろうか。

RPAが最終的に導入されていくのは現場であり、導入における業務フローの特徴を理解しているのも現場の人間である。

しかし、ツールベンダーが直接経営陣に営業を持ち込み、そのままトップダウンでツール選定が行われた結果、ミスマッチなツールを使い続けるという沼にはまってしまう企業が後を絶たない。

そして、このことは中小企業だけの問題ではなく、大企業でも実際に起こっているのだ。

今後、RPA導入を検討している企業は自社の特徴に合わせた選定を行っていきたい。

RPA成功への道――上手くいく企業には共通点がある

ここまでは、RPA導入において事例から見えてくる失敗の共通点を見てきた。

次からは、RPAの導入が上手くいっている企業の共通点とは何なのか、見ていきたいと思う。

主導権はどちらか――情シスor現場主導

RPAを企業内にスケールしていくうえで、必ず話題に挙がるのはこの「ロボット開発の主導は情シスか現場か」という問題である。

――ここで、重要となってくるのは経営陣の判断である。

短期的ではなく、長期的な視点でのRPAが会社内でどういった役割を持たせたいか、という経営者視点で考える必要がある。

先にも述べた通り、RPAツールの欠点としては、一度導入するとツールの変更が難しい点であり、経営者が将来的にデジタルレイバーをどのように使用していくかを長期的な視点で決定していかなくてはならない。

限定的な部署にロボットを留めるのであれば、情シス主導で開発していく方がツール使用者の育成コストを抑えることができ、プログラミング言語を使用する自由度の高いツールや、簡単に導入することが可能なデスクトップ型のツールを使用する方がよいだろう。

しかし、今後会社内にデジタルレイバーを積極的に取り入れていきたいのであれば、現場の人間がデジタルレイバーを使うことができる体制を整えていくべきである。

ここで、RPAに触れたことがない方は、現場の人間がRPAを使用するという考えに違和感を覚えたことだろう。

そもそもRPAツールは一部ツールを除き、プログラミング言語の必要のない形で設計されており、プログラミング経験がない人間でもofficeソフト感覚で使用できることを最大の特徴として持つ。

その際のツールの選定については、管理が必要となってくるためサーバー型やクラウド型であることやプログラミング言語の必要がないツールを選ぶということが重要となってくる。

実際に多くの企業で、プログラミングに携わったことのない人間がRPAツールを使用していた。

この特徴を踏まえた上で、現場主導でRPA開発を行う場合は会社全体にRPAを広げていくことが可能となるのだ。

ただし、ここには一つ注意点がある。

完全に現場主導で開発を進めてしまうと、ロボットの品質やセキュリティを保つことができない。

そこで、RPA導入には推進部隊を設置する必要がある。

この推進部隊は、情シスの人間と現場にもリーダーをたてて構成される。

運用のルールを導入前に定め、推進部隊が現場で作成されたロボットのセキュリティや品質を管理していく。

また、工程が複雑化するロボットが出てきた際は推進部隊で対応し、日々の仕事で発生する細かな業務は現場の人間で自動化していく。

こうすることで、着々と近づきつつあるロボットと人間が共存して働く未来への土台を、RPAという機会を経て構築していくのだ。

そして、RPA導入を労働時間削減として捉えずに、社内で働く一人一人が出来ていなかったことをできる時間に充てて、生産性を向上させる成長戦略へ考えをシフトしていく必要があるだろう。

RPAのKGIは削減労働時間か

RPA導入の成功・失敗の基準はどのように考えたらよいだろうか。

無論、まず挙げられるのはRPA導入による削減労働時間であろう。

RPA導入におけるプレスリリースなどを見てみても、やはり労働時間削減をメインとして置いているものが多い。

業務をロボットに代替させる以上は、指標としてその代替された時間をきちんと数値化し、成果として表すべきである。

――しかし、RPAのゴールを労働時間の削減としていいのだろうか。

導入に成功している多くの企業からは、労働時間削減の他に多くの成果あったと報告している。

例の一つとして、社員の単純作業からの解放がある。

定型的な単純業務は、モチベーションが上げにくいと共に、モチベーションの低下に起因する。

この業務からの解放は、社員のモチベーション低下を防ぐと同時に、空いた時間をアクティブな時間に変換させ会社の生産性を上げることにもつながっていく。

実際の例としても、RPAを導入することによって社員(特に若手)のモチベーション上昇や、個々のスキル向上心活性化に結び付き、社内で好循環が生まれ、結果離職率が低下したという話まである。

RPAはあくまで、社内改革の一つの手段に過ぎなく、「RPAゴール=削減した労働時間」という様に考えるのではなく、多角的に導入を検討していく必要があるのだ。

RPA成功に向けて

RPA自体、近年になってようやく実用化してきた考えであり、今はまだ一歩目に過ぎない。

先駆的な企業が試行錯誤を繰り返す中で導き出したアイデアを、今後導入していく企業は吸収していく必要がある。

今後のAI技術などの発展で、今まで人間が行ってきた業務はロボット化されていくだろう。

RPA導入は「ロボットと人間が共に働く時代」の一歩目として、未来を見据えながら進めていく必要があるだろう。

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