#01.RPAには大きな罠がある___RPAの審美眼を身につけるために。

いつかこの仕事をロボットがやってくれるようになったらいいな。

そう考えていた昭和の会社員は、現代をどう捉えているのだろうか___

RPA黎明期たる平成

Robotic Process Automationを略した名前で呼ばれるそのツールは、ホワイトカラー業務を激変させる効果を見せている。

例えば2017年、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャルグループの三大メガバンクが大幅な人員削減を発表した。

その人員削減とともに行われたプロジェクトがRPAの導入であり、ミスの許されない金融基幹業務の自動化を成功させ、国内におけるRPAののろしをあげた。

この事例が大企業各社に伝わると、RPAを導入しようとする動きが拡大。

金融業界だけでなく、各種製造業や自治体までもが導入を進め、2018年はロボットとともに働く時代の始まりを告げる年となった。

RPAの市場規模拡大
ITRの調査より引用

上の図は、ITRが発表したRPAの市場規模推移図(予想)だ。

現在100億円前後とされるRPAの市場規模だが、2022年度には400億円、すなわち4倍になるとされている。

2019年は大企業のRPA導入の波が一旦落ち着き、中小企業へと波及していく年になるだろう。

それに伴う各オフィスでのRPA開発ニーズの高まりが、RPAを使える人材の需要に繋がり、RPAを学ぶ人も増えてくると考えられる。

導入企業が半数を超えてくれば、そのサイクルがさらに加速し、RPAがまるでMicrosoft Officeの各ツールのように使われる時代が来るかもしれない。

RPA導入の難しさ

こうしてRPAの導入が進みながらRPAのメリットが喧伝される一方で、導入からしばらく立ってRPAの効果を上手く引き出せないことに悩む企業も出てきている。

楽天リサーチによる調査

上記の調査は、楽天リサーチ株式会社(現:楽天インサイト)が行なった導入状況の実態調査である。

これを見ると、RPAの導入後に何らかの問題を抱える企業が全体の91.5%にのぼることがわかる。

そう、RPAの運用体制を形作るのは簡単なことではない。

経営層やマネージャー層の理解・現場の高い意識・盤石なガバナンス体制・開発者のスムーズな育成など超える壁がいくつもあるのだ。

こうした壁を前にして、RPAの真価を引き出せずに運用を止めてしまう企業は少なくないだろう。

富士通マーケティングの調査より
富士通マーケティングの調査より

さらに、RPA運用の悩みに繋がる要因に関して、2018年に富士通マーケティングが行なった調査で興味深いことがわかった。

上記のグラフを見てみると、「RPA導入を検討したもののやめてしまった企業」の理由として「ツール選定ができなかった」「導入効果が説明できなかった」などのRPAツールの理解不足が大きな原因としてあげられることがわかる。

つまり、「個々のRPAツールが我が社に何をもたらすのか」を担当者ですらしっかりと把握することができていない可能性がある。

確かにRPAツール各社のホームページだけを見てもそれぞれのツールのどこが良くて、どこがダメなのかを理解するのは至難の技だ。ましてや、RPAツールを触ったことのない担当者なら尚更だろう。

このような状況では、ベンダー各社のマーケティングの巧拙が勝負を分けると言っても過言ではない。

この結果、自社に合わない運用方法やRPAツールを活用してしまうことで、多くの企業がRPAの上手な運用をすることが出来ていないのではないか。

もしそうだとしたら、それは不幸だ。

RPAの審美眼を身につける

さて、今回のRPAマガジンでは、このようなRPAに潜む罠を概観していく。

念のため言っておくが、「罠」という言葉使いに言い過ぎのきらいがあるのは確かだ。

しかし、ただ各社のホームページを見るだけでは分からない、すなわち、ベンダー各社が絶対に言おうとはしないツール毎の本当の弱みがあるとしたら、それは落とし穴になりうる。

この特集はそうした「真実」を暴いていくことに焦点を当ててお届けしていく。

RPAを100%を理解するために。

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RPAマガジン

一口にRPAと言ってもそこには様々な種類があり、それぞれできることが異なってくる。

大企業に合ったツールが何なのか。中小企業に合ったツールが何なのか。

「プログラミングスキルが不要」と謳う宣伝文句は果たして本当なのか。

多くの企業がRPAを導入して2、3年が経った今、現場に起きている歪みは何なのか。

まずは、RPAの運用やツールを取り巻く問題の全体感を把握してほしい。

RPAの価格に潜む大きな罠。

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RPAマガジン

RPAの仕組みをしっかりと理解した時、RPAの価格設定に横たわる大きな罠に気がつく。

RPAというソフトウェアは非常に高い。

しかし、この値段は各ベンダーが設定する「ライセンス体系」に大きく左右されるのだ。

こうした罠を可視化せずにRPAの情報収集を行うのは、余りに危険だ。

RPAの今昔と未来を知る。

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そして、忘れてはならないことが1つ。

RPAは日本だけのものではない。それどころか海外発祥の技術だ。

RPAの発祥を紐解き、現代のビジネスを取り巻く環境と照らし合わせることで、RPA本来の「目的」を再確認することができる。

さらに、海外におけるRPAの動向を調べていくと、その先にあるRPAの未来が見えてくる。

海外のRPA情勢を読み解くことにより、RPAを見る視野を大幅に広げ、より精度の高いRPAの現状認識を獲得するのがこの章の目的だ。

人とロボットが共に仕事する時代へ。

このマガジンを最後まで読んだあなた方は、
RPA各社のホームページには現れてこないRPAに関する真の知識を身につけ、
価格を中心としたRPAツールにまつわる業界知識を獲得した上で、
海外におけるRPAの捉え方を知るところまで至る。

その時、今の私たちが第四次産業革命とも言うべき、時代の大きな転換点にいることがわかるだろう。

最後は国内におけるRPAの普及状況を概観して終わる。

RPA業界に潜む罠とは___

RPAが進むべき道とは___

この特集記事を通して、「RPAの審美眼」を醸成していこう。

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