RPAと大学の運用事例

RPAの大学における利用を徹底解説!ポテンシャル、リスクや実例も紹介

RPAと大学の運用事例

昨今、業務効率化のためのIT化が各企業において進められています。

特にRPAツールの導入による多種多様な定型業務の効率化によって、大幅な業務時間が削減されています。

金融業界から製造業、官庁に至るまで、あらゆる業界で導入が進められているRPAですが、近年、大学における導入が注目を集めています。

RPAツールの大学への応用は、一見難しそうで、イメージが湧きにくいかもしれませんが、実はRPAと大学は非常に相性が良いです。

今回はそんな、RPAの大学における利用について説明します。

RPAとは

そもそも RPAとは、Robotic Process Automation の略語で、主に定型業務のデスクワークを、ルールエンジンやAIなどの技術を備えたソフトウェアのロボットが代行・自動化する概念です。

現在のRPAツールは、定型的な作業の効率化、また、非定型業務の一部自動化の段階まで発展しています。

RPAについて詳しく説明した記事を記載しますので、是非参考にしてみてください。

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RPAで出来ること

また、将来的な段階として、RPAが特化型AIと組み合わされたことにより、RPA自身が機械学習をする事が可能になる段階があります。

また、さらにその次の段階として、あらゆる領域に対応した汎用型の強いAIとRPAが組み合わされ、合理的な判断ができるようになった段階があります。

ただ、これらの段階に達するのは2030年頃と言われています。

日本の大学の現状課題

現在の日本の大学にとって、生産性向上と働き方改革は最も重要な経営課題の一つです。

特に、人件費増を抑えつつ業務の高度化・多様化に対処するという課題は、規模の大小や設置形態を問わず、全ての大学に共通です。

そのため、生産性向上はもとより、成長を促す働き甲斐のある職場、働きやすい職場を作り上げるためにもITの高度活用を含む業務改革は不可欠です。

大学の職員組織やそれが担う業務は現在も「事務」と呼ばれることが多く、職場を見てもPCに向かっての仕事が圧倒的に多いです。

そのこと自体は問題ではありません。

しかし、少子高齢化が加速する現在の日本社会において、学生に接する時間、新たな企画や問題解決のために話し合う時間、高校・企業・地域など学外に出向く時間を、これまで以上に生み出していかなければなりません。

RPAはそのための有力な手段の一つになり得ます。

RPAの大学における可能性

大学の現状課題を解決する手段として、RPAは有力です。

なぜなら、大学では多種多様な定型業務があり、それらが定期的に大量に発生するからです。

では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

RPAツールを導入することで、以下のようなメリットがもたらされます。

  • 定期的に発生する大量の定型業務が代行されることによる、労働時間の大幅削減
  • 職員は付加価値の高い、創造的な業務へのシフトを実現可能
  • 導入検討段階で業務プロセス全体が見直しされ、それに携わる一人ひとりの働き方が効率的になり、生産性が向上

以上を踏まえると、より効率的な職員が、より付加価値の高い業務に多くの時間を投資することができるようになります。

それはすなわち、人材や資源を、成長分野や生徒へのサービス等にシフトすることができるということです。

RPAツールの導入は、職員のためだけでなく、大学全体の効率性、生産性を向上させ、 大学のためにもなります。

さらに、大学を取り巻くステークホルダー、つまり、生徒のためにもなります。

少子高齢化が加速する日本社会において、生徒への教育サポートや、リクルーティング活動における時間への投資は、ますます重要性を増していくでしょう。

導入実例

ここからは、RPAの大学への導入実例を紹介します。

早稲田大学

アジアのリーディングユニバーシティとしての確固たる地位を築く早稲田大学でもRPAの導入が進められています。

具体的には、約130カ所で処理していた伝票をRPA活用の新システムで集約化することで業務効率を向上させました。

具体的数値としては、全体数として年間約22万件、割合にして約30%の業務削減効果が得られました。

また、早稲田大学情報企画部、伊藤達哉氏によれば、

「本質的には業務プロセスの見直しがRPA導入の目的。どのような業務をロボット化するかを考えること自体が、業務改革のきっかけになると考えている。」

とのこと。

RPAツールそれ自体の付加価値だけでなく、導入プロセスにおいてRPAツールがもたらす価値が顕著に現れている最たる例です。

2032年に創立150周年を迎える早稲田大学では、具体的な数値目標を設定した中長期計画「Waseda Vision 15…

立命館大学

立命館大学でも、定期的に大量に発生する、単純ながらも手作業に頼らざるを得ない定型業務を削減し、職員の業務を、経営に有効な情報の抽出や分析などの創造的な業務に集中させることが課題でした。

特に、立命館大学では※ERPを活用した経営に注力していました。

そのため、RPAが活用されることで職員は創造的な業務への集中が可能になり、ERPを活用した経営を支えるデータの抽出や分析への道筋が更に明確になりました。

RPAツールにより、より付加価値の高い上流の業務に投資できる時間が増え、経営効率が上昇した最たる例です。

※ERPとは

ERPの概念は、生産管理の手法であるMRP(Material Resource Planning)を一般の企業経営向けに展開したもので、資源をムダなく有効活用し生産効率を高めていく考え方を、経営の効率化に応用したものです。

情報の一元管理が可能になり、効率的かつスピーディな経営戦略策定に大きく貢献します。

帝京大学

5つのキャンパス、3つの総合病院、その他15以上の事業拠点がある帝京大学では、3,000人を超える職員がバックオフィスとして学生・教員を支えています。

同じくRPAツールの導入により、700時間分の会計業務が削減されました。

今後も、全体として約20%の業務削減が実現する見込みです。

RPAツール導入だけでなく、特に帝京大学では、今まで不可能とされてきた手作業の業務についても自動化可能という職員の意識改革に注力しています。

RPAツールにより、職員の意識改革という副次的要素における改善が見受けられる最たる例です。

人には「才能」がある。その才能を「開花」させるためには気づきを与える「環境」と、自らの努力がいる。帝京大学は、一人ひとり…

RPA導入における課題とダウンサイドリスク

ここまで、RPAのメリット、可能性について触れ、実例を紹介してきました。

しかし、RPAの導入は容易いわけではなく、課題がいくつか存在します。

※RPA自体のリスク対策について詳しく書いている記事を記載いたしますので、是非参照してください。

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RPAリスク

さて、ここでは、大学におけるRPA導入の課題、リスクについて触れたいと思います。

業務担当者の当事者意識

導入に際して、業務担当者は能動的に関わる必要があります。

つまり、業務改革がなぜ必要か、RPAとは何か、組織と個人に如何なるメリットをもたらすか等について、 明確な理解をしなければなりません。

大学では職員が、RPA導入によってどのような付加価値を生むのかを理解し、どのように援用していけばいいのかを具体的にイメージする必要があります。

特に、RPAツールの大学への応用は、一見難しそうでイメージが湧きにくいため、優先的に解決しなければいけない課題です。

RPA導入業務の選定

改めて、現在のRPAツールは定型的な作業の効率化、また、非定型業務の一部自動化しかできません。

全ての業務を代行することはできないのです。

そのため、どの業務をどこまで自動化するのか、その自動化が導入コストに見合うものなのか等、業務プロセスの見直しを入念にしたうえで業務の選定を行う必要があります。

この業務の可視化が、業務改革の経験に乏しい大学にとっては難しい課題です。

不必要な業務の固定化

課題と同時に、リスクも存在します。

RPA導入に当たっては、業務の棚卸しを通して、自動化対象とする業務を洗い出し、現状とあるべき姿を描き、RPA適用部分を明確化しなければなりません。

この際に、既存の業務を所与のものとするのではなく、目的に立ち返ってその必要性を問い直し、必要性が低ければ業務自体をやめることも重要です。

特に大学の導入においては、導入目的が曖昧になるリスクがあります。

見直しを怠り、本来不必要な業務がソフトロボへの置き換えにより固定化されることは避けなければなりません

まとめ

ここまで、RPAの大学への利用について、メリットや可能性、課題、リスクについて触れました。

実は相性が良く、最近になって導入の注目を集めている大学とRPAの関係性を、より具体的にイメージできましたでしょうか。

ここまで述べてきたように、RPAを利用することによる効果は絶大です。

しかしながら、RPA自体の課題、また、RPAと大学との関係性における課題等も存在することも事実です。

本記事を読んで、今一度業務の見直しなどを行い、価値を出すために最適な環境づくりが行えているかを考える機会になれば、幸いです。

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