【全20事例!】成功事例に学べ!業界別のRPA活用事例を徹底解説!

現在、業務効率化の手段としてRPAが大きな話題となっています。

単純作業を人間の代わりに行ってくれるため、人間はより生産的な業務を集中して行うことができ、社員のモチベーションの向上にも繋がります。

このようなことはよく言われているのですが、実際にどの会社がRPAを導入して、どのくらいの成果をあげているかという例はあまり把握していないのではないでしょうか。

そこで、今回は業界ごとにRPAを導入している事例を取り上げてどのような成果を挙げているかを解説していきたいと思います。

※今回の記事では、【業界】別の導入事例を全20事例に渡りご紹介していきますが、別の記事で、職種別の導入事例をご紹介していますので、こちらも合わせてご覧ください。

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RPA事例職種別

現在のRPAの導入割合

RPAの導入事例を見ていく前に、日本におけるRPAの導入状況を把握しておきましょう。

MM総研の調査によると、年商50億以上を達成した国内企業におけるRPAの導入割合は2019年1月の時点で約32%という結果が出ています。

【RPA導入事例】RPA導入率の図解
出典:MM総研
( ※計算の関係上、構成比の合計は100%にならないことがある。)

企業規模別で見ると、年商1000億以上の企業の割合が39%、年商1000億未満の企業の割合が27%となっており、中小企業でもRPAは普及している段階となっています。

業界別では、金融業界が44%と最もRPA導入割合が高いですが近年ではメーカーや不動産業界でもバックグラウンド業務でRPAが利用されるようになっており、RPAは業界問わず有用であることが明らかになっています。

導入済みの企業の59%がRPA導入の効果に満足しており、79%は将来的にAIと連携させるといった利用拡大に前向きであると回答しています。

【RPA導入事例】RPA利用満足度
出典:MM総研
【RPA導入事例】RPAに満足度の高い理由
出典:MM総研
【RPA導入事例】RPAの今後の活用方針についてのグラフ
出典:MM総研

業界別RPA利用事例

それでは、実際にRPAがそれぞれの業界でどのように利用されているかを解説していきます。

自分が知りたい業界における成功事例を学び、そのノウハウを吸収していきましょう。

金融業界の導入事例

金融業界は、定型業務が多いだけでなくミスが許されない業務が多数存在するためRPAといった業務自動化ツールとの親和性が非常に高いです。

そのため、他業界に先駆けてRPAツールによる業務自動化をいち早く進めてきた業界でもあります。

従って、誰もが知る大きな銀行による成功事例が相次いでいます。

株式会社三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行では、他のメガバンクよりも早くRPAを導入してきました。

同行では、2013年〜2014年にかけて既に自動化への取り組みを初めており、2014年にはRPA導入のためのパイロットプロジェクトを行い住宅ローンの団体信用保険申告書の点検業務を対象としました。

その結果、2500時間もの業務削減に成功したため2015年の春に本格導入を始めました。

2018年の時点ではRPAによって2000件以上のプロセスの自動化に成功し、20種類のRPAツールの利用で累計2万時間の業務削減に成功しています。

日本経済新聞

三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長は19日、国内の事務作業の自動化やデジタル化で「9500人相当の労働量の…

株式会社三井住友銀行

三井住友銀行では2016年からRPAの導入実験を始めました。

三井住友では、グループ全体でデジタル技術を利用した業務効率化の方針を定めており、トップダウンとボトムアップの両軸でRPAの推進を行ってきました。

その結果、2018年には約1000台のソフトウェアロボットを稼働させるなど急速な自動化に成功しました。

RPAによる自動化は営業部門から金融商材調査、コンプライアンスリスク関連業務、預金・融資などの業務に至るまで幅広い業務が対象となりました。

例えば、営業部門では当日の始業前までにロボットに訪問する予定の顧客の金融商材の運用レポート作成を指示しておき、同時にロボットは顧客の運用商品に関する情報も集めておきます。

これにより、顧客に提示する資料を効率的に作成することができるようになりました。

RPAにより削減された業務時間は約40万時間にもおよび、2020年の3月までに累計300万時間の業務時間の削減を目指すとしています。

それだけでなく、コスト面でも2019年末までに合計1000億円を削減する見込みであるとしています。

日本経済新聞

三井住友銀行は全行挙げて、定型業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用を進めている。社外…

株式会社みずほ銀行

みずほ銀行もグループ全体で2016年からRPAの導入実験を重ねており、2018年から本格的に展開していくことになりました。

同グループでは、自動化対象を「バックオフィス業務及び職員の身の回りの業務」に定め、働き方改革の一環としてRPAを導入しました。

例えば、現在同行では口座振替依頼書の処理を行う際、スタッフが約500万枚に及ぶ依頼書から必要な情報を読み取って手動で処理を行っていたため、非常に煩雑でした。

そこで、RPAに加えAIとOCRを連携させることで、帳票の読み取りから処理までを全て自動化することに成功しました。

同行ではAI、OCR、RPAを組み合わせた業務改善を「AORソリューション」と呼び、手作業による事務作業の約8割を削減する見込みです。

※RPA成功ノウハウのインタビュー記事はこちら

マイナビニュース

業務の処理内容に分けて、4種類のRPAツールを使い分けているみずほフィナンシャルグループ。現場では、自分たちの業務を改善…

株式会社福岡銀行

銀行のRPA導入というとメガバンクに注目が集まりがちですが、地方銀行でもRPA導入を進めているところがあります。

その例の一つが福岡銀行です。

福岡銀行では、業務改善のための手段の一つとしてRPAの導入を行っています。

福岡銀行では2017年の6月〜9月にかけてパイロット運用を行い2018年から本格展開に至りました。

対象業務としては、信用情報照会・業績評価の集計・クレジットカードの使用状況集計・オーナーコンサル日報作成など多岐に渡ります。

福岡銀行では、RPAの導入により今後5年間で累計236千時間の業務時間削減を見込んでおり、金額にして660万時間の削減となっています。

【RPA導入事例】福岡銀行
出典:FFG×RPA取り組みのご紹介

株式会社京葉銀行

RPA導入を進めている地方銀行のもう一つの例として、京葉銀行が挙げられます。

京葉銀行では2018年にRPA推進チームを新設し、主に住宅ローンの審査業務に利用されました。

RPA導入前は顧客の個人情報を手作業で入力していたため、一件あたり約40〜60分の時間がかかっていましたが、RPA導入によりその作業時間は約半分まで削減できました。

また、必要な人員数も減ったため営業やコンサルに人員を回すことができるようになり他業務の強化にもつながりました。

同行では、今後ファックスでの申し込みなどRPA化する業務を拡大する方針であり、年間5333時間の業務時間削減を目指しています。

株式会社日本生命

保険会社の中で早い段階からRPAに注目していた企業が日本生命です。

保険業界では2011年から銀行で保険の購入ができるようになったため、日本生命でも2014年頃に大幅に事務量が増大することになりました。

そこで、業務削減の手段として2014年からRPAの導入を開始しまず2台のRPAが導入されました。

RPAは主に上記のような銀行窓販業務を担当し、現在では6台のRPAが導入されています。

また、業務の適用範囲も広がり投資信託の発注業務なども担うようになり、約7万時間の事務作業の削減につながりました。

そのほか、同社ではRPAをAIやOCRと組み合わせて高度化するだけでなく職員のRPA教育も充実させるなど社内業務の自動化に積極的に取り組んでいます。

ビジネス+IT

2014年という早い段階からRPA(Robotic Process Automation)に注目し、PoC(実証実験)を…

損害保険ジャパン日本興亜株式会社

損害保険ジャパン日本興亜株式会社では、2017年からより付加価値の高い業務へ時間を割くために生産性の向上を図っており、2018年よりRPAを本格的に導入しました。

2018年には6月の大阪府北部地震や7月の西日本豪雨など迅速に保険金を支払う必要のある機会が多く、RPAはお客様対応書類や契約情報等の印刷など、その際の大量の事務処理に活用されました。

その結果、2018年だけで約3万8000時間の事務作業の削減に繋がりました。

同社では今後も大災害時の保険金の迅速な支払いのためにRPAを積極的に利用していく見通しです。

ITmedia エンタープライズ

RPAの大規模導入が進む保険業界で、年間40万時間の削減を掲げた損保ジャパン。導入から1年がたち、目標としていた40万時…

メーカーの導入事例

メーカーでは実際の製造作業以外に受注入力、競合製品情報収集、交通費申請など事務作業もたくさんあるため、RPAが活躍できる余地は多くあります

上述したように、業界別で見ても近年のメーカーのRPA導入割合は高く、多くの企業で導入実績があります。

サッポロビール株式会社

サッポロビール株式会社では日々の営業活動や製品開発の際に様々な小売業者が開示するPOSデータを利用しており、RPA導入前まではそのデータを1つずつ手作業でダウンロードしていました。

しかし、業者によってはデータが煩雑で1つのデータをダウンロードするために20〜30分かかることもありました。

また、量も膨大で2000ファイル前後のデータを毎週ダウンロードしなければならず非常に手間のかかる作業となっていました。

この状況が続くと、今後ダウンロードできないデータが生じる可能性があったため同社ではRPAの導入を決断しました。

同社では、平日の午前8時になると自動的にRPAの電源が入り指定した小売業者のサイトからデータをダウンロードし始め、14時頃には全ての企業からのデータのダウンロードが完了できるようになっています。

これにより全ての商品のPOSデータを日々取得することが可能になりました。

RPAにより削減できた時間数は年間で約5700時間、削減できたコストは約1100万円にも及んでいます。

東洋経済オンライン

「毎日手作業でデータの大量のダウンロードを行っていて、その時間と労力が大きな課題となっていました」こう語るのは、サッポロ…

田辺三菱製薬株式会社

田辺三菱製薬株式会社は国内のみならず海外にも展開する新薬メーカーです。

製薬業界では、近年新薬製造の難易度が以前に比べて上がってきており、以前のように新薬製造→特許取得→特許が切れた頃に新薬製造というサイクルを回すのが難しくなってきていることが課題でした。

そのため、新薬の製造のための費用と時間を産むための業務全体の生産性の向上が必須の課題となっていました。

そこで同社では2016年より将来的な全社展開を見据えてRPA導入の検討を始め、翌2017年には2ヶ月間の導入実験を行うと、ロボット10台を作成し約1000時間の業務削減に成功し、2018年に本格導入を開始しました。

まだ導入して間もない段階のため一部の業務にしか適用されていませんが、海外駐在員の経費生産業務を約500時間削減するなど確実に成果をあげています。

また、システムからダウンロードしてエクセルに貼り付けたのちにWebにアップロードするという作業を毎日24回繰り返している業務をRPA化することにも成功しました。

その結果、2019年6月の時点で既に3000時間の業務削減を達成しています。

同社では今後の全社展開に向けて既に約40000時間の業務削減を可能と考えており、本格的な開発者の育成にも力を注いでいく方針を定めています。

信州ハム株式会社

信州ハム株式会社は長野県上田市に本社を構えるハム・ソーセージの製造、販売を行っている会社です。

同社では、2005年頃からWebによる受発注が増大しており当初はオペレーターの増員により対応をしていました。

しかし、膨大な量の発注データはダウンロードするだけでなく基幹システムに回す必要もあったため、人的なミスが多く出ることが課題となっていました。

それだけでなく、オペレーターの教育や引き継ぎなどにも手間取っていたため出荷遅延の原因ともなっていました。

そこで、同社ではRPAを導入し発注データを自動で受注データに変換し基幹システムに送る一連の作業を自動化することに成功しました。

RPAの導入により、人的ミスの削減や人件費の削減といったことは勿論、受注処理が定時に行われるようになったことで効率的な作業計画を立てられるようになりました。

また、社員の土日出勤の必要もなくなりました。

富士フィルムホールディングス株式会社

創立85周年を迎えた富士フィルムホールディングス株式会社では、新たな価値の創造を目指して社内の業務改善を中核として改革に取り組んでいます。

その中で、経理などの間接業務にRPAの適用可能性を見出し2017年1月からRPAの導入実験が開始され、RPA適用対象業務の約7割が自動化できるという結論に至り、同年4月から本格導入を始めました。

現段階では、経理・給与・人事といったバックグラウンド業務に優先してRPAが導入されています。

しかし、同社ではRPA化を前提にした業務プロセスの最適化を進めており、今後は現在自動化できていない領域でもAI等との連携による自動化を推進していく方針を定めています。

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三菱重工業株式会社

三菱重工業株式会社では、「ダーウィン」というプロジェクト名のもとでグローバル財務部が社内の業務改革の中心となってRPAの導入を進めていきました。

同社で進行中であったダーウィンプロジェクトには、当初以下の大きく4つのプロジェクトがありました。

  • ダーウィン1:アウトソーシングによる業務削減
  • ダーウィン2:入出金の管理といった定型業務の改革
  • ダーウィン3:非定型業務の改革
  • ダーウィン4:異なる定型業務の標準化、共通化

しかし、アウトソーシングによる削減は経済的な面や即効性には優れていましたが全社的な改革には繋がらないと考えたためダーウィン1はスキップされました。

【RPA導入事例】三菱重工株式会社の業務改革
出典:安部慶喜 金弘潤一郎『RPAの真髄』(日経BP社、2019年)

同社では、業務プロセス改革を行うに当たって単に既存業務の自動化に止まらないようにするために、業務プロセスの可視化→プロセスの簡素化・標準化→自動化という流れを取っています。

また、アジャイル型の開発プロジェクトを推進しており計画→ロボット開発・実装→テストのサイクルを3ヶ月単位で回しています。

このような改革の進め方は効果を出してきており、一例をあげるとOCRとの連携により請求書の読み取りから入力に至る流れを自動化することに成功しました。

また、多部署と比較しても多忙なグローバル財務部では月の平均残業時間を10時間以下にするという目標を掲げ、社員に業務プロセスを根本から見直させる機会を作るなど、働き方改革にも積極的に取り組んでいます。

不動産業界の導入事例

株式会社レオパレス21

レオパレス21ではシステムへのデータ出入力業務や集計業務に多くの時間を割いており、合計で月に1612時間もかけられていました。

そこで、同社では本社の8業務にRPAを導入し業務改善を図った結果、73.1%の業務効率化が実現しました。

同社は今後も社内業務のRPA化を促進していく方針であり、RPA化が見込める356業務のRPA化を推進し月間で1000時間の業務削減を目指しています。

Apaman Network株式会社

APAMAN株式会社の子会社であるApaman Network株式会社では全国に約1140店舗ある不動産賃貸仲介店のアパマンショップを運営しています。

同社では、顧客に紹介できる物件の空室情報を不動産情報管理会社のサイトから探し出し、それを社内の基幹システムに登録するという作業を人の手で行っていました。

しかし、1つの物件を登録するだけでも約15分の時間がかかっており、全国のアパマンショップで同様の作業が行われていたことを考慮すると約1万時間がこの作業に費やされていたことになります。

そのため、対人の営業に力を入れたいと考えている同社ではこのような業務の効率化が不可欠でした。

また、同社では働き方改革も進めているため業務の削減は避けては通れない道でした。

そこで同社ではRPAを上記の業務に導入し、社員の代わりに担当エリアの空室情報を探し自社のシステムに登録されていなければ自動で登録するという作業を自動化しました。

全てを自動化するとイレギュラーな事態への対応が難しくなるため、人の手も上手く活用しながらイレギュラーの対応も可能になるような仕組みを構築しました。

その結果、新店でロボットを活用したところ人の手で行うよりも約3〜4倍の効率化が実現しました。

【RPA導入事例】Apaman Network
出典:UiPath

しかし、同社では基幹システムとの連携やFAXへの対応などまだRPAでは完全に自動化できていない部分が残っています。

そのため、今後はOCRやAIなどとの連携も進めながら自動化できる範囲を広げていく方針を定めています。

東急住宅リース株式会社

東急住宅リース株式会社では毎年約20%の入居者が入れ替わっており、その度に非常に煩雑な契約に関する入力作業が生じていました。

同社では、社員がより賃貸オーナーに新しいサービスを提案できる環境を整えることを目指していたためこういった業務の効率化が必須の課題となっていました。

そこで、同社では2018年7月よりRPAの試験運用を開始し、同年8月から本格運用を始めました。

その結果、基幹システムへの入力や書類のアップロードなど全部で74件の作業の自動化を実現し、年間約4万時間の業務削減を見込んでいます。

また、同社でもApaman Network株式会社と同様によりAIやOCRとの連携でより煩雑な作業の自動化も視野に入れています。

商社の導入事例

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社では、2010年頃から進めていた働き方改革が一定の成果を上げたこともあり、限られた時間の中でいかに生産性を向上させるかということを次の課題として掲げていました。

そこでRPAを業務改革の切り札として、2017年春から導入の検討を始めました。

当初は費用対効果の面から不安の声もあったため、スモールスタートを決断し試行錯誤を重ね、2018年4月にRPAの全社展開を進めていきました。

RPAを本格導入すると、わずか半年で様々な部署で成果が現れ始めました。具体的には以下のようなものがあります。

  • Webサイトから1つ1つの商品情報を取得、処理する作業の自動化(年間148時間の業務削減)
  • 客先から受信するデータを元に出荷帳票を作成、処理する業務の自動化(年間140時間の業務削減)
  • 保険支払い業務の自動化(保険金支払い予定データを受領後、支払い通知書を出力。これと入金予定データを各部署へ送付する一連の業務)

全体では 69業務の自動化に成功し、特に上記二つの作業では、人的ミスの減少引き継ぎの手間の削減など副次的な効果も見られました。

また、RPAを導入したことで社員がより付加価値の高い業務に注力できるようになったことも成果として挙げられます。

このような効果から、同社でRPAを導入していなかった部署でもRPAの導入を希望するところが出てくるなど、全社展開を進めるに当たって非常に追い風となっています。

同社では、RPAを全社展開するに当たって各部署にCoEを設置することが必要不可欠であると考えており、ロボットを使える人材をより多く育成することを課題としています。

それを踏まえて、OCR、AIといった高度な技術との連携を進めていく方針を示しています。

三井物産株式会社

三井物産株式会社では「攻めのIT経営」を掲げて積極的なIT投資を進めており、その中でRPAに注目していました。

というのも、同社では取引先のWebシステムに対する単価訂正業務といった単純ではあるが膨大な量をこなす必要のある定型業務が存在していました。

RPA導入以前は数名がそういった業務に携わっていたのですが、入力ミスや確認作業などからくる精神的負担などがあり業務改善は必須となっていました。

そして、2016年5月頃からRPAに関する調査を開始し2017年1月に活用トライアルを開始しました。

同社では、RPAを導入するに当たってその業務がRPA化に適しているかを判断するためのフローを作成し「作業状況によってRPAや手作業を使い分ける」ことで業務効率化を進めていきました。

その結果、年間130時間を要していた上記の単価訂正作業は年間30時間にまで減少するなど、確実に効果を上げていきました。

このような作業時間が減少したことで、顧客の訪問件数の増加や提案書の作成に時間を費やせるようになるといった副次的な効果も得られました。

それだけでなく、RPAツールの作業時間を考えて効率的に業務を遂行するようになるといった効果も生じ、働き方改革に大きく貢献しました。

同社では、今後RPAをグループ各社へ展開していき「攻めのIT経営」を実践していく方針を定めています。

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住友商事株式会社

住友商事株式会社では、先端的なIT技術をビジネスに生かしていく方針を定めていましたが、データの蓄積がないためAIやloTといった技術はなかなか使えない状況でした。

そこでまずはデータの蓄積から始め、その手段として2017年にRPAが現場主導の形で導入され始めました。

また、同社ではRPAを円滑に運用するための活用ルールを定めており、「不正アクセス」や「ロボットの誤作動による業務遅延」といった想定される41のリスクへの対策を行っています。

こうした取り組みのおかげで、50台のロボットを稼働させて財務関連の4部署で年間2000時間の業務削減に成功しています。

また、同社でもRPA導入をより多くの業務に導入するために既存業務を見直すようになり、ロボット化の取り組みが社員の意識改革にも繋がりました。

同社では、今後RPAを全社展開していくとともに従来の目的であったAIやloTの活用も進めていく方針を定めています。

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自治体の導入事例

奈良県奈良市

奈良市では、2009年に仲川氏が市長となって以来、業務の見直しによる経費削減など改革が行われていました。

また、奈良市では職員数が減少しているにも関わらず業務内容は多様化しているという背景もあり、職員の業務の見直しは必須となっていました。

そこで、仲川氏は大きな投資をしなくても既存のプラットフォームを利用できるRPAを業務改善の手段として、2018年の5月から6月にかけて導入実験を行いました。

実験対象となった業務は庁内の各部署から公募し、最終的に会計業務や資料作成業務といった5つの業務に絞り込みました。

実験を行った結果、約80%の業務時間の削減を達成したところも出てくるなど数値的な実績を実感できただけでなく、RPA化を前提とした業務内容の標準化が進むなどの副次的な効果も得られました。

奈良市では、今後庁内の業務にRPAを導入できるかを精査し、庁内にRPAを本格導入していく見通しを立てています。

日本経済新聞

奈良市は26日、定型作業を自動化するソフトウエア「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」を使い、庁内業務の…

茨城県庁

茨城県庁では、財政面の課題から人員削減を行っていましたが上述の奈良市の事例と同様に業務の多様化からマンパワー不足が課題となっていました。

そこで2018年4月に発足したICT戦略チームが中心となりRPAの実証実験が進めれました。

茨城県庁でも庁内から実証実験のための業務を募集し集まった65の業務から次のような基準で実験対象となる業務を選定しました。

  • その業務が必須のものか
  • 業務データは電子化されているか
  • ルールは標準化されているか
  • 導入効果は高いかどうか

その結果、「予算令達業務」、「検収資料確認」、「水産試験場 漁獲情報システムデータ取り込み」、「旅費申請代理登録」という4つの業務がRPAの実験対象業務となりました。

予算令達業務は県立高校に配分される予算の入力作業を行う業務ですが、RPA導入前は職員1人が1週間もかけて行っていました。

しかし、RPAを活用することで入力にかかる時間はわずか2〜3時間にまで減少し、職員が携わる時間はわずか10分にまで減少しました。

また、検収資料確認は国に国民健康保険の利用状況を報告する資料にミスがないか確認する業務ですが、これには8人の職員が動員され目視で漏れがないかを確認していました。

その業務にRPAを使ったところ、8割以上の業務削減を達成しました。

この結果を受けて、茨城県庁では自動化予算として6240万円の投資を行い更なる業務の自動化を進めていく方針を定めています。

しかし、県庁では文書主義である上に職員の移動が激しく引き継ぎ等が難しいという独特の課題を抱えています。

そのため、急激な自動化を進めるのではなく、まずはデスクトップ型RPAを用いて現場に負担がかからないように慎重な自動化を進める方針です。

ITmedia エンタープライズ

最近、全国の自治体で増えるRPAの実証実験。そんな中、2018年にいち早く実証実験に成功し、2019年4月から20業務へ…

愛知県一宮市

愛知県の一宮市では、給与支払報告書や社員の転勤・退職の際に企業が市へ提出する給与所得者異動届出書の大半を住民税システムに手入力していました。

特に3月〜5月にかけては各企業の従業員の転勤等が多く、後者の届出書は年間18000件にも及び、職員は年間592時間かけて入力作業を行っていました。

そのため、このような作業は市職員の大きな負担となっていました。

そこで、一宮市ではRPAとOCRを連携させることでこの一連の業務を自動化することを模索し、2018年7月から8月にかけて実証実験を行いました。

具体的には、紙媒体で届いた届出書をOCRソフトが読み取ってデータ化したのち、RPAロボットにより住民税システムに入力するという流れです。

【RPA導入事例】愛知県一宮市 業務改革
出典:地方自治体におけるAI、ロボティクスの活用事例

RPAとOCRを活用させた結果、これらの業務に費やされる時間は年間で192時間削減され、年間398時間にまで減少しました。

更にOCRの読取精度を向上させると、年間438時間の業務削減が期待できるという予測を立てています。

一宮市では、2019年2月から本格的にRPAやOCRを導入して業務削減を行っていく方針です。

RPA成功事例、幅広い業界で、続々と

今回は、RPAを活用している事例を業界別に紹介していきました。

この記事を読むまで、RPAは金融業界といった定型作業の多い業界でしか利用できないと思われていた方も多いのではないでしょうか。

しかし、RPAはどのような業界であっても効果を発揮することができるのです。

また、RPAは単なる業務の効率化という効果だけでなく社内の意識改革といった副次的な効果も発揮できます。

しかし、単にRPAを導入すればいいという訳ではなく、RPA化できる業務の洗い出し、業務の標準化といった作業も同時に必要になってきます。

また、不測の事態に備えて人によるサポートも当然必要です。

そのため、確かにRPAは現段階ではまだ万能であるとは言えません。

しかし、人とRPAが上手く協力することで現在の業務は大きく効率化ができます。

社内の業務改善に悩んでいらっしゃる方は、こうしたRPA成功事例を参考に、一度業務の洗い出しを行ってRPAの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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